南知多ゲストハウス『ほどほど』の程々な日々: Hello Goodbye & Hello

2012/04/15

Hello Goodbye & Hello


 先日、東農場という石川県の有機農家さんでアルバイトをしていた時にお世話になっていたおじいちゃんが亡くなりました。おじいちゃんは僕に、穏やかな笑顔と仕事の面白さと、 そして、いつまでも好奇心を失わない限り人生は愉しいんだ、ということを教えくれました。

那須から電報を打ったところ、ご主人からメールが届きました。

 「弔電ありがとう、ありきたりの弔電ばかりの中なかで、キラリとひかる一文で、家族みんな喜んでます、非電化工房でもキラリひかる、こっすーでいて下さい」

嬉しいなあと思っていたら、東農場時代のことが蘇ってきました。ウツのどん底から復活し始めていたとき、ひょんなご縁で4年間、アルバイトでお世話になりまいた。





東農場は本当に面白いところで、
ご主人はおおらかで好奇心が旺盛。
大型トラクターを修理する時も、JAとケンカするときもいつも楽しそうでした。

1ヘクタールに僕一人。人口密度1人/haというすごい広々としたところで、
僕は毎日草刈機を回し、田植えをして、ときどきカエルくんたちと戯れていました。
家に帰ると体中ドロだらけ、おなかペコペコで、
ドボーンとお風呂に入る気持ちよさ、
ご飯をお腹いっぱい食べられる喜び、
そして、夜はぐっすりと眠れる、という 幸せ。

だんだんとウツも改善し、僕の仕事のベースは東農場で作られました。



そして2011年の春、世界一周のたびの途中で僕は、愛方Nanaさんと出逢いました、

僕たちの夢は「持続可能な小さなカフェバー」を創ること、になりました。

しかし、口ではそう言ったものの金沢に帰った僕は、
「そんなもので食っていけるのか?」
「子供をちゃんと育てていけるのか?」
「経験ゼロのお前がカフェバーなんてできるのか?」

そんなマイナス思考にすっかり頭が占拠された僕は、
職業基金訓練に手を出し、
雇用創出機構の半年の仕事に手を出し、
何をやっても面白くない。やる気が出ない。身につかない。
という袋小路に迷い込んでしまいました。

そんな中で、愛方Nanaさんに支えられながら、
たまたま見つけたのが非電化工房でした。



今、僕はとても幸せです。
愛方Nanaと、ステキな弟子仲間2名と僕、
合計4人での共同生活はとても楽しい。
週末に暖炉の前で自家製ビールを飲みながらのひとときは最高です。

師匠の藤村靖之先生はおおらかでユーモア好きで好奇心旺盛で、
ちょっと東さんに似ているかもしれません。

ここではいろんな作業があります。
非電化カフェの建設、除染実験の補助、イベントのお手伝い、農業・・・
そんな日々をすごしているとふと、東農場時代を思い出すんです。

ああ、やっぱり僕にはこういう生活が合っていたんだなあ、と。




おじいちゃん。どうぞ、安らかに眠ってください。


ときどき、
風になって、
鳥の歌声になって、
田んぼを流れる小川のせせらぎになって、
僕達のところに遊びに来て下さいね。

僕たちはおじいちゃんの意志を受け継いで、きっと新しい時代を創っていくから。







Hello Goodbye & Hello.

君に会って 今君にさよなら

Hello Goodbye & Hello.

そして君のいないこの世界に Hello.


―熊木杏里「Hello Goodbye&Hello 」より

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